サムスン電子の李在鎔（イ・ジェヨン）副会長（４７）が「ギャラクシーＳ６」に搭載されたモバイル決済システム「サムスンペイ」の普及に力を入れている。

サムスン電子が４日に明らかにしたところによると、李副会長は最近米ワシントンＤＣで開かれたビジネスカウンシルの定期カンファレンスに参加した。米国の産業界・金融界を代表する最高経営責任者（ＣＥＯ）が活動する会合だ。電子商取引大手のアマゾンを創業したジェフ・ベゾスＣＥＯが会長を務めており、マスターカードやアメリカンエクスプレスなど主要カード会社のＣＥＯが活動中だ。李副会長はカード会社２～３社のＣＥＯとも個別に会合を持ち、サムスンペイに関する包括的な協力案を議論した。これに先立ち李副会長は先月にはペイパルの共同創業者であるピーター・ティール氏と会い、フィンテク（金融情報技術）に対する共同投資を話し合ったりもした。

これはサムスン電子が自社のスマートフォンのソフトウェアとサービス環境にさらに競争力を持たせるためモバイル決済に照準を合わせているものと解釈される。サムスン電子関係者は、「次世代スマートフォン市場は結局モバイル決済のようなフィンテクの競争力に左右されるものとみている。サムスンが確保する収益を犠牲にしてでもサムスンペイの使用便宜性を高めることに焦点を合わせている」と説明した。

アップルが昨年１０月に「アップルペイ」のサービスを開始しモバイル決済市場に参入してから世界のＩＴ恐竜の競争が本格化している。サムスンペイはサムスン電子が最近買収した米国のベンチャー企業ループペイのマグネチックセキュリティ伝送（ＭＳＴ）技術を適用した。クレジットカード情報を登録したスマートフォンを決済端末に当てれば、カードを実際に切ったのと同じ電波を出す技術だ。加盟店が既存の決済端末器をそのまま使え汎用性が高い。近距離無線通信（ＮＦＣ）だけでなくバーコード方式にも対応する。サムスン電子のイ・インジョン副社長は、「多様なカード会社と提携を結んでおり、この夏に韓国と米国でサービスを開始する。スマートフォンの電源が入っていなくても実行可能で、“たった１回のアクション”だけで決済を行えるようにして便宜性を最大化した」と説明した。


ギャラクシーＳ６に搭載のサムスンペイ、先行大手２社を揺さぶる（２）